昨日、生まれて初めて全焼の火災を間近で見た。
小火程度の火災は子どもの頃に一度だけ見たことがあるが、
その時は殆ど火も出ていなかったこともあり、「火災を見た」という記憶はあまり無い。
夜、サイレンが鳴り始めたので「どこだろう?」とベランダから探すと
空に沢山の黒い雲が流れているのがわかった。
「うわ〜すごい煙」と、煙の流れてきている方を見ると空が橙色に光っている。
自宅から約1km程度の場所。
以前から火災とはどんなものなのか、一度自分の目で見たいと思ってはいたが、
「野次馬」「人の不幸を見てどうする」などと、自分で思っていたり、
他人にそう言われそうなこともあり、近くても見に行くことはしなかった。
でも今は、「家族」や「仲間」、「職人」「仕事」というテーマでも写真を撮っており
どうしても「消防士」「消火活動」という写真を撮りたかった。
今年は初めて稲城市の消防出初式も見に行ってきた。
(
稲城市 消防出初式 2012年)
あの式に参加していた消防士達が消火活動をしていると思うと、どうしても見たいし、撮りたい。
そう思い、カメラを持って自転車で現場へと急いだ。
「野次馬」?「人の不幸を見てどうする」?
言いたい人は勝手に言えばいい。
「俺は俺の想いで撮っている」
それだけだ。
はっきりとした場所がわからないので、
煙が流れてきている方、空が明るくなっている方へと急ぐ。
近付くにつれ、燃えている焦げた匂いがしてくる。
あまり近くまで行くと危ないし邪魔になると思い、
ちょっと離れた場所に自転車を置き、そこからは走って近付く。
もう、直ぐそこというのはわかるのだが、まだ物陰でよく見えない。
空には火の粉が舞っており、自分の方に沢山飛んでくる。
「こっち風下か.....」
怖いと感じながらも、風下から抜け出し、火が見える方へ急いだ。
「ここだ。」
二階建ての建物が丸々火に包まれている。
バリバリと燃える音が辺りに響き、火の粉が空一面に舞っている。
「これが火災か。」
既に消火活動は行われているが、まだ始まって間もない感じだ。
続々と分団の消防車が駆けつけてくる。
家の周りは田んぼなので、比較的離れた場所からも全体が見える。
私のいるところから建物までの距離は、50〜60m程度といったところだろうか。
唖然とするが、ぼーっと見ている場合ではない。
次ここ、次あそこ、と無意識に自分から自分に指示されている感じで、ひたすら撮る。
先ずは燃えている建物を数枚撮り、続いて消防士の消火活動を撮る。
消防士達は炎に向かって大量の水をかけているが、見た目は何も変わらない気がする。
火の勢いは全く衰えず燃え続けている感じだ。
消える時が来るのかとも感じる。
建物は2階建だが、炎は4階、5階といった高さまであるのではないかと思う。
炎の先からは大量の黒い雲と火の粉が空に舞っており、その先には半月が見えた。
空には雲もなく、天気は穏やかだ。
風も弱く、不幸中の幸いだと感じた。
たまに火の中から「どっーーーーん」という爆音と共にキノコ雲が出てくる。
何が爆発しているんだろう?
次はもっと大きな爆発で自分の所にも来るのでは?という不安を感じ、数歩下がった。
その瞬間、感じた。
これは「消防士の消火活動を撮る」という綺麗な言葉で言える話しではない。
「命を懸けている人を撮っているんだ」と。
爆音で私は数歩下がったが、消防士達は少しも動かずに炎に向かってひたすら放水を続ける。
もっと大きな爆発があるかもしれない。
この炎の中へ救出へ行く場合もあるだろう。
いつ、自分の命を落としてもおかしくない。
しかも、他人のためにだ。
そう思うと、これほど素晴らしい職業は無いと感じた。
この場所には、約1時間半ほどいた。
何本ものホースから放水されているが、
中心となる放水が止まった時には「やっと終わった」と感じた。
これは消防士達による命懸けの戦いだ。
救急車が走る音も聞こえなかったと思うので
怪我人はいなかったのではないかと思うが大丈夫だったのだろうか.....。
火の消えた建物を見て、
家は建て直せても、思い出は全て消えるんだなと感じた。
まだまだ寒い冬が続き、暖房器具などを使うが
火災を起こさないように注意しようと思う。
火災の凄さ怖さと、消防士達が仲間で命をかけて戦っていることが伝わればと思う。
稲城市消防本部、稲城市消防団の皆様、これからも稲城市民の命を守って下さい。
ぜひこちらもご覧下さい。
稲城市 消防出初式 2012年 (その1)
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